らんらんたるひとびと。~国内旅編~
それって、鈴様たちに話して大丈夫なのか…。
秘密事項の一つではないかと、不安になる。
「わたくし、もしかしたら。お会いしたことがあるかもしれません」
またもや、シナモンの爆弾発言に皆が注目する。
「雰囲気が、どことなくカハナ様に似たような男性でした。20歳前後の方でした」
「シナモンちゃんどこで会ったの?」
白雪姫がシナモンに近づく。
私は白雪姫の尻に一発蹴りを入れた。
「勿論、ツバキ様のお屋敷ですわ」
シナモンが笑顔で言ったが、その後すぐに「しまった」という表情をした。
うかつに話してはいけないというのを理解したのだろう。
「申し訳ありません。今のは聞かなかったことにしておいてくださると…」
「ま、大丈夫でしょ。俺たちも会ったことあるし。次期、村長なわけだし」
いや、白雪姫よ。
問題はそこじゃないのだ。
ツバキ団長の家にどうして、海の一族がいるんだ…ということになってしまうではないか。
案の定、ホムラさんと鈴様の表情が曇った。
まずい…
私はぐっと白雪姫を睨みつける。
白雪姫はかるく「ひぃっ」と悲鳴を上げた。
「海の一族に関しては、ケリー侯爵様が詳しいのでは?」
私が慌てて言うと、「そうだな」と険しい表情で鈴様が言った。
「カハナ様は女性であるが故にリーダーになれないということでしょうか?」
シナモンが言うと。
私と白雪姫はお互い目を見合わせて「ちがう」とハモった。
「黒い瞳の人間というのは初代からずっと男だった」
「それが、今回初めて女の子…カハナが黒い瞳を持って生まれたの」
「厄介なのは、次期村長になる男が生まれた後にカハナちゃんが生まれたことらしい」
物分かりのいいシナモンだが、
私たちの貧相な説明の意味がわかってないらしく首を傾げたままだ。
「つまり、海の一族では前例のないカハナの存在の対応について、いつまでも躊躇していると」
「そうです!」
ホムラさんが上手くまとめてくれたので、私は大声で言った。
「おいらたちが初めてカハナちゃんに会ったとき、村長が教えてくれたんです。彼女をどうしていいのかわからないから、とりあえず巫女として扱っているって」
「…確かに、海の一族で巫女などという存在を聞いたことがないな」
真剣な表情で鈴様が言った。
秘密事項の一つではないかと、不安になる。
「わたくし、もしかしたら。お会いしたことがあるかもしれません」
またもや、シナモンの爆弾発言に皆が注目する。
「雰囲気が、どことなくカハナ様に似たような男性でした。20歳前後の方でした」
「シナモンちゃんどこで会ったの?」
白雪姫がシナモンに近づく。
私は白雪姫の尻に一発蹴りを入れた。
「勿論、ツバキ様のお屋敷ですわ」
シナモンが笑顔で言ったが、その後すぐに「しまった」という表情をした。
うかつに話してはいけないというのを理解したのだろう。
「申し訳ありません。今のは聞かなかったことにしておいてくださると…」
「ま、大丈夫でしょ。俺たちも会ったことあるし。次期、村長なわけだし」
いや、白雪姫よ。
問題はそこじゃないのだ。
ツバキ団長の家にどうして、海の一族がいるんだ…ということになってしまうではないか。
案の定、ホムラさんと鈴様の表情が曇った。
まずい…
私はぐっと白雪姫を睨みつける。
白雪姫はかるく「ひぃっ」と悲鳴を上げた。
「海の一族に関しては、ケリー侯爵様が詳しいのでは?」
私が慌てて言うと、「そうだな」と険しい表情で鈴様が言った。
「カハナ様は女性であるが故にリーダーになれないということでしょうか?」
シナモンが言うと。
私と白雪姫はお互い目を見合わせて「ちがう」とハモった。
「黒い瞳の人間というのは初代からずっと男だった」
「それが、今回初めて女の子…カハナが黒い瞳を持って生まれたの」
「厄介なのは、次期村長になる男が生まれた後にカハナちゃんが生まれたことらしい」
物分かりのいいシナモンだが、
私たちの貧相な説明の意味がわかってないらしく首を傾げたままだ。
「つまり、海の一族では前例のないカハナの存在の対応について、いつまでも躊躇していると」
「そうです!」
ホムラさんが上手くまとめてくれたので、私は大声で言った。
「おいらたちが初めてカハナちゃんに会ったとき、村長が教えてくれたんです。彼女をどうしていいのかわからないから、とりあえず巫女として扱っているって」
「…確かに、海の一族で巫女などという存在を聞いたことがないな」
真剣な表情で鈴様が言った。