らんらんたるひとびと。~国内旅編~
 カハナは宴会開始の一時間ほどは起きていたのだが、
 途中から舟をこぎ始めて、パタンと眠りこけてしまった。
「まだ、これでも12歳だからな」
 と、周りは笑顔でカハナに毛布をかけて宴会は続行された。
 そして、お開きだという時になって、ぱっちりとカハナが起き上がった。

「おい、男たらしと四男坊」

 眠いのであろう、目をしょぼしょぼさせながら。
 カハナが大声で私と鈴様を呼びつけた。
「おまえらには、特別に家を貸してやる」
「へ?」
 カハナがポケットから何かをごそごそと取り出した。
「ここから南に100mほど歩いたところに家がある。そこで2人は過ごすといい。ここで全員寝るには狭いからな」
 カハナはニヤニヤしながら、私の手のひらの上に鍵を置いた。
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