らんらんたるひとびと。~国内旅編~
 きっと、ジェイや白雪姫には話せない。
 この旅を終えたら、会うことのない鈴様だからこそ話せるのだとわかる。
 
 泣いているにも関わらず、無表情。
 心配さえしない。
 目の前に座る鈴様。
 その真っ直ぐな視線が怖かった。
「決して、私は娼婦になったことはありません」
「…あの娘の妄想癖ということか?」
「鈴様は私の言うことを信じてくれますか?」
 口に出して、愚問だった…と気づいた。
 また、質問に質問で返してしまったので、むぅ…と鈴様が渋い顔をしている。
 言わなきゃ、誤解を受けたままだ…
 ああ…と盛大にため息をついて覚悟を決めた。
「母の再婚相手の男が私を…売ったんです。娼婦になったら大金が貰えるからって」
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