【SS】犬系幼馴染み、翼くんはストレート
「あ、あの、やめてくだ……」
「お兄さん達、誰? ふーちゃんの知り合いじゃないよね」
「「あ?」」
「翼くん……!」
両手にプラスチックカップを持って戻ってきた翼くんは、むっとした顔で男の人達をじろじろ見ている。
「ふーちゃんが怖がってるじゃん、触らないでくれる?」
「チッ、男付きかよ……」
「あ……」
翼くんが強めの口調で言うと、男の人達はあっさりと離れていった。
代わりに、翼くんが私に駆け寄って顔を覗き込んでくる。
「ふーちゃん、大丈夫? ごめんね、1人にして……」
「ううん……助けてくれてありがとう」
心底ほっとしてお礼を伝えると、翼くんはプラスチックカップを持ったまま、器用に私を抱きしめた。