鮫島先生は今日もズルい
鮫島迅と言う男
「失礼します」
ガラッと職員室のドアを開けて鮫島先生の机を見る。
「……」
この瞬間ってほんと嫌い。
職員室にいるほとんどの先生がこっち見るんだもん。
肝心な鮫島先生は全然見てないけど。
そのまま先生の机まで行って、あたししかいないことに首を傾げる。
「山田くんは?」
「ん?ああ。すぐ来るから気にするな」
なんて会話をしてると職員室のドアが開いて、そこに山田くんの姿が見えた。
「よし。揃ったな」
ペンを置いた先生は、顔を上げてあたし達を見る。
ドキッ
あぁ。
まただ。
最近、どうしてか先生にドキッとしてしまうことがあって。
……いや、たぶん、あたしが先生のこと気になってるからだと思うんだけど……。
先生変わってるから。