鮫島先生は今日もズルい

「てか先生ー。教室間違えたってどーいうこと。どこの教室に行ったん?」


4時限目にしてわかったこともう1つ。

たぶん、この2人が教室のボス。



「1個下の階」

「ぶはっ、それ2年の教室じゃん」

「それ絶対わざとだろ。1年は1番上の階だから、めんどかっただけじゃん。もはや願望」


……先生、言われたい放題だな……。

なんかちょっと可哀想。



「何でわかっ……いや、考え事して間違えただけだよ」

「……!」


変に誤魔化さない先生の態度に、一気に教室が笑いの渦に巻き込まれた。


「この先生可愛すぎ」

「もっと良い言い訳すればいいのに」



「はいはい。じゃあ授業するから号令しろー」

「授業って言っても自己紹介だろ?」

「いいから黙ってろ。お前ら」


いつもの号令が終わって、先生はみんなの顔を伺うように教室を見渡した。



< 4 / 37 >

この作品をシェア

pagetop