鮫島先生は今日もズルい
「てか先生ー。教室間違えたってどーいうこと。どこの教室に行ったん?」
4時限目にしてわかったこともう1つ。
たぶん、この2人が教室のボス。
「1個下の階」
「ぶはっ、それ2年の教室じゃん」
「それ絶対わざとだろ。1年は1番上の階だから、めんどかっただけじゃん。もはや願望」
……先生、言われたい放題だな……。
なんかちょっと可哀想。
「何でわかっ……いや、考え事して間違えただけだよ」
「……!」
変に誤魔化さない先生の態度に、一気に教室が笑いの渦に巻き込まれた。
「この先生可愛すぎ」
「もっと良い言い訳すればいいのに」
「はいはい。じゃあ授業するから号令しろー」
「授業って言っても自己紹介だろ?」
「いいから黙ってろ。お前ら」
いつもの号令が終わって、先生はみんなの顔を伺うように教室を見渡した。