離縁の理由は愛されたいと思ったからです
 今日は今日で寮に行ったりなんだりとまた疲れてしまってすぐに眠りについた。最近疲れていてもあまり眠れなかったのでこの二日間はよく眠れたせいか、スッキリしていた。


 朝になり、朝食のために庭へと案内された。緑がいっぱいの庭ではあった。花の匂いはするのだけど、花自体が見当たらない。


「ここに花は咲いてないのよ。朝はグリーンで癒されて、散策する時に花を愛でるのが楽しいの。風が吹くと花の香りがして何が咲いているか季節で変わるから、後で散策してみると良いわよ」


 なるほど。ティーパーティーをする時はその時に合わせて場所を変えるんだそう。分かったことは庭が広いと言うことね。


 朝食を終えて運動がてら広いお庭の散策をしてお茶をしていたら、お兄様にそろそろ出るぞ。と声をかけられた。


 パドルさんと夫人に挨拶をして屋敷を出たのがお昼前。昨日行ったけど、またグレムの街を散策する。


「この店を予約してある」



 おしゃれな外観のカフェだった。へぇ~意外。

「お連れの方がお待ちです」

 名前を言うとお連れの方がお待ちだと言った。

「……だれ?」

「行きゃわかるさ」

 そして通された個室にはエミリオがいた!

「え! どうして?」


「なんとなく……? 面倒事が起きたら卿を頼れ、力になってくれる。先日のパーティーで卿と話をさせてもらって親しくさせて貰っている。私は今日フォンターナ邸に招待されているからお邪魔してから帰ることにする」

 ……聞いてない!
 


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