離縁の理由は愛されたいと思ったからです

王家主催のパーティー


「また侯爵様が?」

「はい。お見えです」

 はぁっ。毎日毎日飽きずによく来るものね。基本面会しないし、警備が約束がないのならお帰りくださいと言い追い払う。それとお客様がいる時は絶対に通さないようにきつく警備にお願いしている。

 そうしたら手紙が届くようになった。しつこい時は契約①だと言ったら契約④だと反論してくる。


 それなら私も契約④です! と返してやろうと思ったけれど、これって返事を返すから更に返事が返ってくる悪循環! 何を言われても無視する事に決めた。

 文通じゃないっての! その手には乗らないわ!


 そして手紙の次はプレゼントに関して断ると契約⑤と言う。お互いのお金の使い道に異論は唱えない……そうだけど、要らないのよね。


 最近ジョゼフはやつれたように思える。本邸のメイドが言うには、アグネスとうまくいってないらしい。ケンカが絶えないだとかで家にいる時は執務室に篭りっぱなしか、王宮で働いているジョゼフは王宮にも執務室がありそちらにいるかの二択らしい。晩餐も一緒にとることはないのだそう。

 アグネスはジョゼフのお金を使い放題でドレスや宝飾類を買っているそうで、使用人達からは疎まれているそうだ。


 私に与えられた仕事は侯爵家のお金の管理だけど、確かにアグネスは使いすぎている。なんでそんなに買い物をしなきゃいけないのかが私には理解できない。体は一つしかないのに。

 ジョゼフが恋人を屋敷に上げ共に暮らし、侯爵家のお金を使いまくっている。との事は今後離縁するにあたりうまく作用するわね。




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