転生アラサー腐女子はモブですから!?
「はい。どちら様でしょうか?」
扉から出てきたクレア付き侍女に、急ぎ取り継ぎを依頼すると、直ぐに室内へと通してもらえた。
「クレア様、御寛ぎのところ大変申し訳ありません。急な訪問に対応頂きありがとうございます」
「アイシャ! そんな堅苦しい挨拶は不要よ。一年ぶりね!! 夜会では、結局会えず仕舞いだったし、貴方も色々と面倒事に巻き起こまれているようで大変ね。確か今日はノアお兄様に会いに来たのではなくって?」
「それがですね……、諸事情ございまして、ただ今ノア王太子殿下から絶賛逃走中ですぅ」
「はぁ~? 貴方、何やらかしたの!?」
結局、事の顛末を全てクレアに話すことになってしまったアイシャは、それを聞いたクレアから、お叱りを受けることになってしまった。
「アイシャ、貴方良い度胸してるわね。ノアお兄様との二人きりのお茶会にアナベルを連れて来て、しかも彼女とお兄様との婚約が反古になった理由を説明しろと突っかかり、二人を残して逃げて来たなんて……、貴方、何やってんのよぉぉ!! お兄様が来たら引き渡そうかしら」
「クレア様! それだけはご勘弁を!!」
アイシャは恥も外聞も捨て、クレアに泣きつく。
「はぁぁ、わかってるわよ。貴方を匿ってあげるから少し落ち着きなさい。本当アイシャって、昔から後先考えず突っ走るわよね」
呆れた様子のクレアがひとつため息をつき、アイシャへ座るように促す。なんだかんだと言っても、最終的にはアイシャを見捨てないクレアに、心の中で手を合わせる。
(持つべき友は、絶対的な権力を持つ王女殿下に限るわね)
そんな失礼なことを考えていたアイシャに、クレアが話しかける。
「ひとまず、お兄様との件は置いておいて。それよりもアイシャ貴方、社交界で大変な噂になってましてよ。お兄様のみならず、ナイトレイ侯爵家のキースとウェスト侯爵家のリアムからも婚約を申し込まれているんですって!? それは本当なの?」
「えぇ。まぁ……、私の知らない内にお三方が婚約者候補になっていたと申しますか。完全に不可抗力ですけど」
「まぁ、そうなの。確かにアイシャじゃ、あの三人を相手に、上手く立ち回るなんて無理ね。どうせ、訳もわからないうちに、表舞台に引きづり出されていたってところかしら」
「はぁ、まぁ、その通りでございます」
見事に今の自分の置かれた状況を言い当てたクレアに、アイシャは感心してしまう。
(昔から、クレア様は賢かったのよね)
アイシャとクレアが初めて出会い、大問題を引き起こしたお茶会以降、クレアの評判はうなぎ登りだ。わがまま王女から、聡明で、思慮深い王女へと転身を果たし、今ではエイデン王国内のみならず、他国からも婚約話がひっきりなしに来ているとか。
アイシャにとってクレアは、破天荒な自分を理解してくれる貴重な存在なのだ。今や、親友という言葉では言い表せないほどの強い絆で、二人は結ばれている。だからこそ、リアムとのことを一番に報告したくて、アイシャは、クレアの私室へと向かったのだ。
扉から出てきたクレア付き侍女に、急ぎ取り継ぎを依頼すると、直ぐに室内へと通してもらえた。
「クレア様、御寛ぎのところ大変申し訳ありません。急な訪問に対応頂きありがとうございます」
「アイシャ! そんな堅苦しい挨拶は不要よ。一年ぶりね!! 夜会では、結局会えず仕舞いだったし、貴方も色々と面倒事に巻き起こまれているようで大変ね。確か今日はノアお兄様に会いに来たのではなくって?」
「それがですね……、諸事情ございまして、ただ今ノア王太子殿下から絶賛逃走中ですぅ」
「はぁ~? 貴方、何やらかしたの!?」
結局、事の顛末を全てクレアに話すことになってしまったアイシャは、それを聞いたクレアから、お叱りを受けることになってしまった。
「アイシャ、貴方良い度胸してるわね。ノアお兄様との二人きりのお茶会にアナベルを連れて来て、しかも彼女とお兄様との婚約が反古になった理由を説明しろと突っかかり、二人を残して逃げて来たなんて……、貴方、何やってんのよぉぉ!! お兄様が来たら引き渡そうかしら」
「クレア様! それだけはご勘弁を!!」
アイシャは恥も外聞も捨て、クレアに泣きつく。
「はぁぁ、わかってるわよ。貴方を匿ってあげるから少し落ち着きなさい。本当アイシャって、昔から後先考えず突っ走るわよね」
呆れた様子のクレアがひとつため息をつき、アイシャへ座るように促す。なんだかんだと言っても、最終的にはアイシャを見捨てないクレアに、心の中で手を合わせる。
(持つべき友は、絶対的な権力を持つ王女殿下に限るわね)
そんな失礼なことを考えていたアイシャに、クレアが話しかける。
「ひとまず、お兄様との件は置いておいて。それよりもアイシャ貴方、社交界で大変な噂になってましてよ。お兄様のみならず、ナイトレイ侯爵家のキースとウェスト侯爵家のリアムからも婚約を申し込まれているんですって!? それは本当なの?」
「えぇ。まぁ……、私の知らない内にお三方が婚約者候補になっていたと申しますか。完全に不可抗力ですけど」
「まぁ、そうなの。確かにアイシャじゃ、あの三人を相手に、上手く立ち回るなんて無理ね。どうせ、訳もわからないうちに、表舞台に引きづり出されていたってところかしら」
「はぁ、まぁ、その通りでございます」
見事に今の自分の置かれた状況を言い当てたクレアに、アイシャは感心してしまう。
(昔から、クレア様は賢かったのよね)
アイシャとクレアが初めて出会い、大問題を引き起こしたお茶会以降、クレアの評判はうなぎ登りだ。わがまま王女から、聡明で、思慮深い王女へと転身を果たし、今ではエイデン王国内のみならず、他国からも婚約話がひっきりなしに来ているとか。
アイシャにとってクレアは、破天荒な自分を理解してくれる貴重な存在なのだ。今や、親友という言葉では言い表せないほどの強い絆で、二人は結ばれている。だからこそ、リアムとのことを一番に報告したくて、アイシャは、クレアの私室へと向かったのだ。