転生アラサー腐女子はモブですから!?
「あのぉ、今日はアナベル様はいらっしゃらないのですか?」
庭園の四阿に到着したアイシャは、椅子に腰掛け優雅にお茶を飲んでいる人物が、ノア王太子のみという光景に問いかける。
「ふふ……、アイシャは相変わらず私と二人きりは嫌なんだね。アナベルには遠慮してもらったよ。最終日くらいアイシャと二人で話したいと思ってね」
「はぁ、左様でございますか」
「そんな怯えなくても大丈夫だよ。取って喰おうってわけじゃないんだし。座って」
思わぬ展開に引きつりそうになる顔を引き締め、出来るだけ自然に見えるように椅子に腰掛ける。
(ノア王太子とアナベル様は良い雰囲気だったのよ。今さら私にちょっかいをかけることは絶対にない)
でも、怖いものは怖いのだ。
逃げ出したい気持ちを抑え、必死に笑みを作る。そんなアイシャをよそに、ノアはというと、足を組み優雅にお茶を飲んでいる。実にリラックスした態度をとるノアを見て、自分だけが緊張しているのも、馬鹿らしくなっきた頃、やっとノアが話しかけてきた。
「アイシャには、感謝しているんだよ」
「えっ? 何をですか?」
ノア王太子に感謝されるような事をした覚えがないアイシャは、首を傾げる。
「アナベルとのことだよ。近々、彼女と正式に婚約を結ぶことになる。様々な貴族界の力関係を考えると、アナベルとの婚約が一番自然だからね」
「アナベル様と婚約を!! それはまた、おめでとうございます」
アナベルをノア王太子にけしかけた手前、アナベルの恋が実ったことが、自分のことのように嬉しい。
(アナベル様! 本当によかったですね。長年の恋心が実って)
心の中で、アナベルへ祝福を贈れば、自然とアイシャの顔にも笑みが浮かぶ。
「――――嬉しそうだね。やはり、アイシャは婚約のことを聞いても、何も思わないか」
「えっ? はぁ、まぁ。わたくしには、ノア王太子殿下の妃は荷が重いと言いますか……。殿下もご存知かと思いますが、わたくしは今まで自分の欲望のまま、自由気ままに生きて参りました。そんなわたくしに民の幸せを想い行動する王家の義務を全う出来るとは思えません。わたくしが王太子妃になったが最期、悪妻として殿下の治世にも悪影響を及ぼすでしょう」
「王太子妃なんて、そんな大したものではないのだけどね。アイシャの気持ちが、昔から私にないのはわかっていたよ。どちらかというと苦手だったんじゃないかな?」
「はは、まさかぁ……」
図星を刺され、アイシャの口から乾いた笑いがもれる。
流石に王太子の御前で、本音をぶち撒けるほど、神経図太くない。ノア王太子がジト目で睨んでいるが無視だ。
庭園の四阿に到着したアイシャは、椅子に腰掛け優雅にお茶を飲んでいる人物が、ノア王太子のみという光景に問いかける。
「ふふ……、アイシャは相変わらず私と二人きりは嫌なんだね。アナベルには遠慮してもらったよ。最終日くらいアイシャと二人で話したいと思ってね」
「はぁ、左様でございますか」
「そんな怯えなくても大丈夫だよ。取って喰おうってわけじゃないんだし。座って」
思わぬ展開に引きつりそうになる顔を引き締め、出来るだけ自然に見えるように椅子に腰掛ける。
(ノア王太子とアナベル様は良い雰囲気だったのよ。今さら私にちょっかいをかけることは絶対にない)
でも、怖いものは怖いのだ。
逃げ出したい気持ちを抑え、必死に笑みを作る。そんなアイシャをよそに、ノアはというと、足を組み優雅にお茶を飲んでいる。実にリラックスした態度をとるノアを見て、自分だけが緊張しているのも、馬鹿らしくなっきた頃、やっとノアが話しかけてきた。
「アイシャには、感謝しているんだよ」
「えっ? 何をですか?」
ノア王太子に感謝されるような事をした覚えがないアイシャは、首を傾げる。
「アナベルとのことだよ。近々、彼女と正式に婚約を結ぶことになる。様々な貴族界の力関係を考えると、アナベルとの婚約が一番自然だからね」
「アナベル様と婚約を!! それはまた、おめでとうございます」
アナベルをノア王太子にけしかけた手前、アナベルの恋が実ったことが、自分のことのように嬉しい。
(アナベル様! 本当によかったですね。長年の恋心が実って)
心の中で、アナベルへ祝福を贈れば、自然とアイシャの顔にも笑みが浮かぶ。
「――――嬉しそうだね。やはり、アイシャは婚約のことを聞いても、何も思わないか」
「えっ? はぁ、まぁ。わたくしには、ノア王太子殿下の妃は荷が重いと言いますか……。殿下もご存知かと思いますが、わたくしは今まで自分の欲望のまま、自由気ままに生きて参りました。そんなわたくしに民の幸せを想い行動する王家の義務を全う出来るとは思えません。わたくしが王太子妃になったが最期、悪妻として殿下の治世にも悪影響を及ぼすでしょう」
「王太子妃なんて、そんな大したものではないのだけどね。アイシャの気持ちが、昔から私にないのはわかっていたよ。どちらかというと苦手だったんじゃないかな?」
「はは、まさかぁ……」
図星を刺され、アイシャの口から乾いた笑いがもれる。
流石に王太子の御前で、本音をぶち撒けるほど、神経図太くない。ノア王太子がジト目で睨んでいるが無視だ。