転生アラサー腐女子はモブですから!?
アイシャの脳裏を、夜会で見たグレイスとリアムのキスシーンがクルクルと回る。
(リアムは、他の女とキスをしても平気なの? 目的のためには手段を選ばないの?)
アイシャの心がドス黒い感情に支配され、熱く燃え上がった心が、急速に冷えていく。
「――――もう、今の私は貴方を信じてあげられない。ごめんなさい………」
「それでも、私はアイシャを愛している」
泣きじゃくることしか出来なくなったアイシャを抱くリアムの腕に力がこもる。しかし、その背に腕を回すことだけは出来なかった。
「アイシャ!!」
「キースなの……」
放心状態のアイシャの耳に背後から迫る馬の足音と、自分の名を呼ぶ声が聞こえる。それと同時に、消え去った温もりに視線を上げたアイシャの瞳に、その場を走り去るリアムの背が写る。
ただボンヤリとその場へと座り、泣き続けるアイシャを背後から優しく抱き締める力強い腕と温もり。それを感じた途端、アイシャの意識が遠のく。
(あぁ、全てを投げ出したい……)
一連の出来事に、とうの昔に限界を迎えていたアイシャは、背後の温もりに身を任せ意識を手放した。
(リアムは、他の女とキスをしても平気なの? 目的のためには手段を選ばないの?)
アイシャの心がドス黒い感情に支配され、熱く燃え上がった心が、急速に冷えていく。
「――――もう、今の私は貴方を信じてあげられない。ごめんなさい………」
「それでも、私はアイシャを愛している」
泣きじゃくることしか出来なくなったアイシャを抱くリアムの腕に力がこもる。しかし、その背に腕を回すことだけは出来なかった。
「アイシャ!!」
「キースなの……」
放心状態のアイシャの耳に背後から迫る馬の足音と、自分の名を呼ぶ声が聞こえる。それと同時に、消え去った温もりに視線を上げたアイシャの瞳に、その場を走り去るリアムの背が写る。
ただボンヤリとその場へと座り、泣き続けるアイシャを背後から優しく抱き締める力強い腕と温もり。それを感じた途端、アイシャの意識が遠のく。
(あぁ、全てを投げ出したい……)
一連の出来事に、とうの昔に限界を迎えていたアイシャは、背後の温もりに身を任せ意識を手放した。