転生アラサー腐女子はモブですから!?
余程、あの二人に良いようにコキ扱われて来たのだろう。裏界隈の元締めと言えども所詮は平民。貴族にとっては顎で使える便利屋、要らなくなればゴミのように切り捨てられる存在だ。
リアムの誘いは目の前の男にとって、口内に残る甘いこのお茶のように、甘美で魅惑的な麻薬だろう。
しかし、麻薬は甘美だが毒にもなる。
「あぁ、ひとつ言い忘れた。ウェスト侯爵家の裏の顔は、ドンファン伯爵の比ではない。選択を間違えれば、ドンファン伯爵諸共、消える事になると夢夢忘れるなよ。次に会う時には、良い交渉が出来る事を楽しみにしている」
ゴクリっと、目の前の男の喉が嚥下するのを確認し、リアムは立ち上がる。ティーセットが置かれたチェストまでゆっくりと歩き、チェストの上から白磁に青の複雑な紋様が描かれた茶壺を手に取り振り向く。
「そうそう。この甘美な茶葉……、もらって行くがよいかな?」
「えぇ。是非お持ちください」
リアムは茶葉の入った豪奢な壺を手に取り、扉へと向かい歩く。
「これも貴族の間で取り合いになるだろう。楽しみなことだ……」
扉を開け外に出る直前、男の含み笑いを微かに聞き取ったリアムは、黒い笑みを浮かべ後ろ手に扉を閉じた。
リアムの誘いは目の前の男にとって、口内に残る甘いこのお茶のように、甘美で魅惑的な麻薬だろう。
しかし、麻薬は甘美だが毒にもなる。
「あぁ、ひとつ言い忘れた。ウェスト侯爵家の裏の顔は、ドンファン伯爵の比ではない。選択を間違えれば、ドンファン伯爵諸共、消える事になると夢夢忘れるなよ。次に会う時には、良い交渉が出来る事を楽しみにしている」
ゴクリっと、目の前の男の喉が嚥下するのを確認し、リアムは立ち上がる。ティーセットが置かれたチェストまでゆっくりと歩き、チェストの上から白磁に青の複雑な紋様が描かれた茶壺を手に取り振り向く。
「そうそう。この甘美な茶葉……、もらって行くがよいかな?」
「えぇ。是非お持ちください」
リアムは茶葉の入った豪奢な壺を手に取り、扉へと向かい歩く。
「これも貴族の間で取り合いになるだろう。楽しみなことだ……」
扉を開け外に出る直前、男の含み笑いを微かに聞き取ったリアムは、黒い笑みを浮かべ後ろ手に扉を閉じた。