転生アラサー腐女子はモブですから!?
「アイシャ様、こちらをどうぞ。ナイトレイ侯爵家お抱え侍医特製、マルッと痛みが軽くなるお薬でございます」
一人掛けソファに座ったアイシャに手渡されたのは、毒々しい色の液体が入ったコップ。それを見たアイシャの顔が引きつる。
「……こ、これ飲まなきゃダメかしら?」
コップに鼻を近づけ匂いを嗅いだ途端に、複数の薬草を混ぜたドギツイ臭気が鼻を刺す。
(無理ぃぃぃぃぃ、臭いよぉぉぉ……)
「ダメですよ! アイシャ様。キース様からも必ず飲ませるように仰せ使っております。キース様もお怪我をされた時に良く飲まれるとの事で効果は保証済みだとか。アイシャ様が拒否されるなら、口移しで飲ませるから言いなさいと申し遣っております。どうされますか?」
良い笑顔の侍女に詰め寄られ、逡巡の上、アイシャは覚悟を決める。
「謹んで、今すぐ飲みます」
鼻を摘んで飲んだら多少マシなはず!
覚悟を決めたアイシャは、一気に毒々しい色の薬をあおった。
うぅぅぅぅぅぅぅ、不味いぃぃぃぃぃ……
アイシャがしばらくの間、ソファの上で悶絶していたのは言うまでもない。そんなアイシャを横目に、テキパキと場を整えた侍女が、辞去の挨拶をする。
「では、アイシャ様、失礼致します。午後ですが、キース様が付きっきりで歩行練習をするとのことです。もちろん二人きりで。では、後ほどキース様と共に昼食をお持ち致しますので、それまで御ゆるりとお過ごし下さいませ」
キースと歩行練習?――――歩行練習……、二人きり!?
「えっ!? どう言うことですのぉぉぉ?」
アイシャの叫びは、無情にも閉められた扉に阻まれ、静かな部屋に響くのみだった。
一人掛けソファに座ったアイシャに手渡されたのは、毒々しい色の液体が入ったコップ。それを見たアイシャの顔が引きつる。
「……こ、これ飲まなきゃダメかしら?」
コップに鼻を近づけ匂いを嗅いだ途端に、複数の薬草を混ぜたドギツイ臭気が鼻を刺す。
(無理ぃぃぃぃぃ、臭いよぉぉぉ……)
「ダメですよ! アイシャ様。キース様からも必ず飲ませるように仰せ使っております。キース様もお怪我をされた時に良く飲まれるとの事で効果は保証済みだとか。アイシャ様が拒否されるなら、口移しで飲ませるから言いなさいと申し遣っております。どうされますか?」
良い笑顔の侍女に詰め寄られ、逡巡の上、アイシャは覚悟を決める。
「謹んで、今すぐ飲みます」
鼻を摘んで飲んだら多少マシなはず!
覚悟を決めたアイシャは、一気に毒々しい色の薬をあおった。
うぅぅぅぅぅぅぅ、不味いぃぃぃぃぃ……
アイシャがしばらくの間、ソファの上で悶絶していたのは言うまでもない。そんなアイシャを横目に、テキパキと場を整えた侍女が、辞去の挨拶をする。
「では、アイシャ様、失礼致します。午後ですが、キース様が付きっきりで歩行練習をするとのことです。もちろん二人きりで。では、後ほどキース様と共に昼食をお持ち致しますので、それまで御ゆるりとお過ごし下さいませ」
キースと歩行練習?――――歩行練習……、二人きり!?
「えっ!? どう言うことですのぉぉぉ?」
アイシャの叫びは、無情にも閉められた扉に阻まれ、静かな部屋に響くのみだった。