転生アラサー腐女子はモブですから!?
「ははは……、キース様のお部屋は、別の所にありますのよね? まだ、結婚されていませんし」
「いや。あの扉の先だけど」
「えっ!? はは、冗談ですよ、ね?」
「冗談? 違うよ。今後の事も考えて、大規模な改築をしたんだ。三部屋を打ち抜くね。アイシャが来る前に仕上がって本当に良かった。母が張り切って急ピッチに進めさせていたから、間に合って一番喜んでいるのは母じゃないかな」
笑みを浮かべたキースに、手をひかれ抱き寄せられる。そして、耳元で囁かれた言葉に、アイシャの頭は一気に沸騰した。
「だから、一人で寂しかったらいつでもノックして。あの扉を――――」
(マ、マジかぁぁ……)
ニッコリと笑ったキースを見て思う。『似た者親子だったわね』と。
いつだったか両脇を侍女に抱えられ強制退室していったナイトレイ侯爵夫人を見て、似た者親子だと思った事を思い出したアイシャは、コソッとため息をこぼす。
ある意味、直情型。
そんなナイトレイ侯爵家のアイシャ包囲網は着実に狭まりつつあった。
(私、結婚を承諾するまで此処から出してもらえなかったりして。まさかね……)
アイシャの心の声は誰にも届かない。
「いや。あの扉の先だけど」
「えっ!? はは、冗談ですよ、ね?」
「冗談? 違うよ。今後の事も考えて、大規模な改築をしたんだ。三部屋を打ち抜くね。アイシャが来る前に仕上がって本当に良かった。母が張り切って急ピッチに進めさせていたから、間に合って一番喜んでいるのは母じゃないかな」
笑みを浮かべたキースに、手をひかれ抱き寄せられる。そして、耳元で囁かれた言葉に、アイシャの頭は一気に沸騰した。
「だから、一人で寂しかったらいつでもノックして。あの扉を――――」
(マ、マジかぁぁ……)
ニッコリと笑ったキースを見て思う。『似た者親子だったわね』と。
いつだったか両脇を侍女に抱えられ強制退室していったナイトレイ侯爵夫人を見て、似た者親子だと思った事を思い出したアイシャは、コソッとため息をこぼす。
ある意味、直情型。
そんなナイトレイ侯爵家のアイシャ包囲網は着実に狭まりつつあった。
(私、結婚を承諾するまで此処から出してもらえなかったりして。まさかね……)
アイシャの心の声は誰にも届かない。