転生アラサー腐女子はモブですから!?
「この薔薇園も見納めですのね。ナイトレイ侯爵邸は、本当に庭園が美しい。ここの薔薇園も素敵ですが、柔らかな陽ざしが差し込む木立のトンネルを歩くのも好きでしたわ」
キースの腕に手を添えて、色とりどりの薔薇が植えられた生垣の道を歩く。
「よく、木陰でのんびりと、読書をしましたわね。気持ちよくって、うたた寝もたびたび、キース様に何度も起こしてもらいましたわ」
「そうだったな。俺にとっても、あの時間は特別だった。アイシャの寝顔を間近で見れる貴重な機会だったから」
「ふふふ、おかしなキース様。私の寝顔など、見ていても楽しくありませんのに」
「そんなことはないぞ。幸せそうな寝顔を見る度に、どんな夢を見ているのか考えていた。夢の中に、俺が出てくることを願いながら、ね」
さらっと、言われた甘い言葉にも、アイシャは頬をわずかに染めるだけで、ここへ来た当初のように慌てることは、もうない。ナイトレイ侯爵家に来て、数週間。それだけ長く、濃密な時間をキースと過ごして来た証でもあった。
「明日で、木陰での読書も終わりかと思うと、寂しいですわね。この薔薇園とも……。ナイトレイ侯爵家の皆様には、本当に良くして頂きました。たくさんご迷惑をお掛けしましたのに、嫌な顔ひとつせず接して下さり感謝しております」
「なんだか、このままアイシャがナイトレイ侯爵家とは疎遠になってしまうのではないかと、心配になってしまう口ぶりだね」
「えっ!? そんなつもりでは……、長い間、迷惑をかけたのは事実ですし、皆様に良くして頂きましたのでお礼をと思いまして。それにキース様には本当に心配ばかりかけてしまって。ナイトレイ侯爵家の皆様のおかげで、そしてキース様のおかげで、辛く、苦しかった日々が楽になりました。本当にありがとうございました」
アイシャはキースの腕から手を離し、深々と頭を下げる。
「ねぇ。アイシャ、顔をあげて」
下げていた頭を上げたアイシャの目の前には、真剣な眼差しを自分に向け膝まずく、キースの姿があった。
「――――えっ!? あのぉ……」
私どうしたらいいのよぉぉぉぉぉ……
これどっかで見たことある。まさかのプロポーズってやつ?
ははは、まさかぁ~、…………冗談よね??
ひとり脳内ノリツッコミを展開しながらアワアワしていたアイシャを見上げ、彼女の左手を取ったキースが話し出す。
キースの腕に手を添えて、色とりどりの薔薇が植えられた生垣の道を歩く。
「よく、木陰でのんびりと、読書をしましたわね。気持ちよくって、うたた寝もたびたび、キース様に何度も起こしてもらいましたわ」
「そうだったな。俺にとっても、あの時間は特別だった。アイシャの寝顔を間近で見れる貴重な機会だったから」
「ふふふ、おかしなキース様。私の寝顔など、見ていても楽しくありませんのに」
「そんなことはないぞ。幸せそうな寝顔を見る度に、どんな夢を見ているのか考えていた。夢の中に、俺が出てくることを願いながら、ね」
さらっと、言われた甘い言葉にも、アイシャは頬をわずかに染めるだけで、ここへ来た当初のように慌てることは、もうない。ナイトレイ侯爵家に来て、数週間。それだけ長く、濃密な時間をキースと過ごして来た証でもあった。
「明日で、木陰での読書も終わりかと思うと、寂しいですわね。この薔薇園とも……。ナイトレイ侯爵家の皆様には、本当に良くして頂きました。たくさんご迷惑をお掛けしましたのに、嫌な顔ひとつせず接して下さり感謝しております」
「なんだか、このままアイシャがナイトレイ侯爵家とは疎遠になってしまうのではないかと、心配になってしまう口ぶりだね」
「えっ!? そんなつもりでは……、長い間、迷惑をかけたのは事実ですし、皆様に良くして頂きましたのでお礼をと思いまして。それにキース様には本当に心配ばかりかけてしまって。ナイトレイ侯爵家の皆様のおかげで、そしてキース様のおかげで、辛く、苦しかった日々が楽になりました。本当にありがとうございました」
アイシャはキースの腕から手を離し、深々と頭を下げる。
「ねぇ。アイシャ、顔をあげて」
下げていた頭を上げたアイシャの目の前には、真剣な眼差しを自分に向け膝まずく、キースの姿があった。
「――――えっ!? あのぉ……」
私どうしたらいいのよぉぉぉぉぉ……
これどっかで見たことある。まさかのプロポーズってやつ?
ははは、まさかぁ~、…………冗談よね??
ひとり脳内ノリツッコミを展開しながらアワアワしていたアイシャを見上げ、彼女の左手を取ったキースが話し出す。