転生アラサー腐女子はモブですから!?
幕間
ドンファン伯爵の誤算
「マズい事になった。まさか、リアムが裏切るとは……」
煌びやかなシャンデリア輝く執務室に設られた、これまた豪華なお気に入りの椅子に座ることもせず、ドンファン伯爵は、右に左にウロウロと落ち着きなく動き回る。
『白き魔女』であるグレイスをリアムが切り捨てるとは思わなかった。いいや、始めからあの男はグレイスの白き魔女としての真価を疑っていたのかもしれない。格上のウェスト侯爵家から打診された婚約話。上流階級の仲間入りが出来ると思い、この婚約話の裏を探る事を怠ったばかりに、最悪の事態を招いてしまった。
ウェスト侯爵家に、裏切られるとは……
ドンファン伯爵の腹わたが煮えくりかえり、怒りで頭が沸騰する。
(私の知らぬ間に、裏界隈の子飼いと接触していたとは……、リアムめ!!)
最悪なことに、闇賭博の裏帳簿や奴隷売買の取り引き書やら、今まで指示してきた悪事の内容を記した書類まで、全てウェスト侯爵家に渡ってしまった。しかも、弱味を握り、悪事に加担させて来た貴族家と交わした誓約書まで奪われたとあれば、ドンファン伯爵家は破滅する。
ドンファン伯爵家に尻尾をふっていた貴族家が手を引く分には痛手は少ないが、今まで良いように操ってきた貴族家が牙を剥くとなれば厄介だ。
(万が一、今までの悪事が王家の耳に入ったら……)
そう考えただけで、破滅の恐怖が背を震わせる。まるで、ナイフを突きつけられたような恐怖感がドンファン伯爵の喉を締めつける。
ウェスト侯爵家に奪われた悪事の証拠の数々が王家に渡れば、極刑は免れない。
(子飼いの男も、馬鹿なことをしてくれた!!)
煌びやかなシャンデリア輝く執務室に設られた、これまた豪華なお気に入りの椅子に座ることもせず、ドンファン伯爵は、右に左にウロウロと落ち着きなく動き回る。
『白き魔女』であるグレイスをリアムが切り捨てるとは思わなかった。いいや、始めからあの男はグレイスの白き魔女としての真価を疑っていたのかもしれない。格上のウェスト侯爵家から打診された婚約話。上流階級の仲間入りが出来ると思い、この婚約話の裏を探る事を怠ったばかりに、最悪の事態を招いてしまった。
ウェスト侯爵家に、裏切られるとは……
ドンファン伯爵の腹わたが煮えくりかえり、怒りで頭が沸騰する。
(私の知らぬ間に、裏界隈の子飼いと接触していたとは……、リアムめ!!)
最悪なことに、闇賭博の裏帳簿や奴隷売買の取り引き書やら、今まで指示してきた悪事の内容を記した書類まで、全てウェスト侯爵家に渡ってしまった。しかも、弱味を握り、悪事に加担させて来た貴族家と交わした誓約書まで奪われたとあれば、ドンファン伯爵家は破滅する。
ドンファン伯爵家に尻尾をふっていた貴族家が手を引く分には痛手は少ないが、今まで良いように操ってきた貴族家が牙を剥くとなれば厄介だ。
(万が一、今までの悪事が王家の耳に入ったら……)
そう考えただけで、破滅の恐怖が背を震わせる。まるで、ナイフを突きつけられたような恐怖感がドンファン伯爵の喉を締めつける。
ウェスト侯爵家に奪われた悪事の証拠の数々が王家に渡れば、極刑は免れない。
(子飼いの男も、馬鹿なことをしてくれた!!)