転生アラサー腐女子はモブですから!?
一年ぶりの再会
「――――私の婚約者さ」
(あんたはいったい誰なんだぁぁぁ!!)
許可もなく背後から抱き締めてる奴に殺意を覚える。誰かもわからない男の腕から逃げ出そうと身動いだ時だった。アイシャの首筋に顔を埋めた男の赤髪が一房、頬を撫で、懐かしい香りが鼻腔をくすぐった。
「まさか、リアム様なの?」
「正解だ。アイシャ、久しぶりだね。私という婚約者がいながら、ノア王太子とキースと二回もダンスを踊るなんて、困った娘だ。あの二人も強引だから断れなかったのかな?」
久々に見たリアムは、真っ黒なオーラを身にまとい、笑みを浮かべていた。
色々とツッコミ所満載の言葉を発していたが、今は逆らうべきではないと、生存本能が訴えかける。
(こわっ! とりあえず頷いておこう)
「そう。では、令嬢方。アイシャには婚約者としての振る舞いを正しておくから、今夜は大目に見てやってくれないか。何しろ右も左もわからないデビュタントだ。男からの誘いの断り方も分からなかったのだろう。今後もアイシャに粉をかける男が現れたら私に知らせてくれると助かるよ。では失礼」
華麗なる手捌きでリアムに腰を抱かれたアイシャは、操り人形の如く彼にリードされ、人気の少ない庭園へと連れ出されていた。
(あんたはいったい誰なんだぁぁぁ!!)
許可もなく背後から抱き締めてる奴に殺意を覚える。誰かもわからない男の腕から逃げ出そうと身動いだ時だった。アイシャの首筋に顔を埋めた男の赤髪が一房、頬を撫で、懐かしい香りが鼻腔をくすぐった。
「まさか、リアム様なの?」
「正解だ。アイシャ、久しぶりだね。私という婚約者がいながら、ノア王太子とキースと二回もダンスを踊るなんて、困った娘だ。あの二人も強引だから断れなかったのかな?」
久々に見たリアムは、真っ黒なオーラを身にまとい、笑みを浮かべていた。
色々とツッコミ所満載の言葉を発していたが、今は逆らうべきではないと、生存本能が訴えかける。
(こわっ! とりあえず頷いておこう)
「そう。では、令嬢方。アイシャには婚約者としての振る舞いを正しておくから、今夜は大目に見てやってくれないか。何しろ右も左もわからないデビュタントだ。男からの誘いの断り方も分からなかったのだろう。今後もアイシャに粉をかける男が現れたら私に知らせてくれると助かるよ。では失礼」
華麗なる手捌きでリアムに腰を抱かれたアイシャは、操り人形の如く彼にリードされ、人気の少ない庭園へと連れ出されていた。