転生アラサー腐女子はモブですから!?
白き魔女の誤算【グレイス視点】※R15
――――アイシャ・リンベル伯爵令嬢。
(あの女はいったい誰なのよ!?)
ゆったりとした猫脚のバスタブに浸かり左右から美しい下僕達に全身を洗われながら、グレイスは、夜会で見た忌々しい女の事を考えていた。
信じられない。
王城での夜会の主役は乙女ゲームのヒロインであるグレイスのはず。
(ノア王太子に手を取られファーストダンスを踊るのは私のはずなのに……、どうしてよ!!)
グレイスは、バスタブの脇に置かれた香油の瓶をつかむと、怒りにまかせ、投げつける。宙を舞った香油の瓶が、壁へと当たり、耳障りな音をたて割れた。
破裂音に、下僕の一人がビクッと身体を揺らしたのを見て、さらにグレイスの怒りは増していく。
(どいつも、こいつも……、あぁ、イライラする!)
「この男、いらないわ。排除して」
グレイスの言葉に、失態を犯した男の顔がみるみると青くなる。
「お、お待ちください。グレイス様、――――」
グレイスの指示で入ってきた屈強な男に、首根っこを掴まれ引きずられ退室していく下僕を眺め、わずかに溜飲を下げる。
(顔は好みだったのよね。残念だけど、仕方ないわ。代わりはいくらでもいる)
遠くの方で響いた下僕の叫び声を聞きながら、前世の記憶を呼び起こす。
(あの女はいったい誰なのよ!?)
ゆったりとした猫脚のバスタブに浸かり左右から美しい下僕達に全身を洗われながら、グレイスは、夜会で見た忌々しい女の事を考えていた。
信じられない。
王城での夜会の主役は乙女ゲームのヒロインであるグレイスのはず。
(ノア王太子に手を取られファーストダンスを踊るのは私のはずなのに……、どうしてよ!!)
グレイスは、バスタブの脇に置かれた香油の瓶をつかむと、怒りにまかせ、投げつける。宙を舞った香油の瓶が、壁へと当たり、耳障りな音をたて割れた。
破裂音に、下僕の一人がビクッと身体を揺らしたのを見て、さらにグレイスの怒りは増していく。
(どいつも、こいつも……、あぁ、イライラする!)
「この男、いらないわ。排除して」
グレイスの言葉に、失態を犯した男の顔がみるみると青くなる。
「お、お待ちください。グレイス様、――――」
グレイスの指示で入ってきた屈強な男に、首根っこを掴まれ引きずられ退室していく下僕を眺め、わずかに溜飲を下げる。
(顔は好みだったのよね。残念だけど、仕方ないわ。代わりはいくらでもいる)
遠くの方で響いた下僕の叫び声を聞きながら、前世の記憶を呼び起こす。