転生アラサー腐女子はモブですから!?
見解の相違
「あのぉ、護衛の方は、いらっしゃらないのですか?」
昨日の約束通り、朝から遠駆けへ行く準備をしたアイシャは、厩前でキースと合流したわけだが、辺りを見回しても、馬の世話をする馬丁しかいない。
「ナイトレイ侯爵領地は管理が行き届いているから、護衛がいなくても、なんの問題もない。万が一、賊に襲われても、アイシャ一人くらいなら守れるから大丈夫だ」
「そう言うものですか」
騎士団の中でも、剣の腕はトップクラスと名高いキースが言うのだから問題はないのだろう。キースと二人きりというのが、なんとも落ち着かないが、わがままを言うのも気がひける。
「それにな、アイシャとの二人きりの時間を邪魔されたくない」
「なっ! はぁぁ、左様ですか」
よく、そんな小っ恥ずかしい事、面と向かって言えるなぁと、変なところに関心しつつ、キースの手を借り馬へと跨る。相棒は昨日と同じ栗毛色の馬だ。アイシャを馬の背に乗せた後、彼女を抱き込むように、キースが馬の背に跨る。耳元で感じるキースの息遣いを妙に意識してしまうのは、この近しい距離感からだろうか。
(キースが、あんなこと言うから悪いのよ)
顔を真っ赤に染め、心の中で可愛い悪態をつくアイシャと、そんな彼女を愛し気に見つめるキースを乗せた馬が走りだす。木漏れ日差し込む小道をゆっくりと進む。時折り吹く心地良い風と、小鳥の鳴き声に、いつしかアイシャの緊張も解けていった。
昨日の約束通り、朝から遠駆けへ行く準備をしたアイシャは、厩前でキースと合流したわけだが、辺りを見回しても、馬の世話をする馬丁しかいない。
「ナイトレイ侯爵領地は管理が行き届いているから、護衛がいなくても、なんの問題もない。万が一、賊に襲われても、アイシャ一人くらいなら守れるから大丈夫だ」
「そう言うものですか」
騎士団の中でも、剣の腕はトップクラスと名高いキースが言うのだから問題はないのだろう。キースと二人きりというのが、なんとも落ち着かないが、わがままを言うのも気がひける。
「それにな、アイシャとの二人きりの時間を邪魔されたくない」
「なっ! はぁぁ、左様ですか」
よく、そんな小っ恥ずかしい事、面と向かって言えるなぁと、変なところに関心しつつ、キースの手を借り馬へと跨る。相棒は昨日と同じ栗毛色の馬だ。アイシャを馬の背に乗せた後、彼女を抱き込むように、キースが馬の背に跨る。耳元で感じるキースの息遣いを妙に意識してしまうのは、この近しい距離感からだろうか。
(キースが、あんなこと言うから悪いのよ)
顔を真っ赤に染め、心の中で可愛い悪態をつくアイシャと、そんな彼女を愛し気に見つめるキースを乗せた馬が走りだす。木漏れ日差し込む小道をゆっくりと進む。時折り吹く心地良い風と、小鳥の鳴き声に、いつしかアイシャの緊張も解けていった。