転生アラサー腐女子はモブですから!?
「お母さま、ただいま戻りました」
エントランスにてアイシャを出迎た母と共に、私室へと向かう。
「お、お母さま、これはいったい?」
アイシャは扉を開けるなり、目に飛び込んできた部屋いっぱいに飾られた花々を見て言葉を失う。
「今朝方、ナイトレイ侯爵家のキース様から届いたお花よ。手紙も預かっているわ」
母から受け取った手紙を開け、そこに書かれていたメッセージを読んだアイシャは、キースの抜かりなさに感心していた。
『貴方が気に入った花々を摘み花束にしました。これを見て少しでも俺のことを思い出してくれたら嬉しい』
「あら! アイシャはキース様から大層愛されているのね。キース様とは順調に進んだのかしら?」
「進んだというか、疲労困憊です。お母さま、わたくし、キース様からあんなに求められる理由が分かりません」
「ナイトレイ侯爵領で何があったかは聞きません。ですが、貴方も社交界デビューを果たした令嬢です。男女の駆け引きも学ばなければならないでしょう」
「男女の駆け引きと言いますが、私には気が重いです。今回の訪問で痛感しました。どうしても、誰かと結婚しなければならないのでしょうか?」
「そうね……、アイシャが戸惑う気持ちもわかります。わたくしもルイに出会うまでは男なんて皆同じだと思っていましたしね。公爵家という旨味を求めるハイエナか下半身のゆるいケダモノばかりだと。当時は、結婚なんて真っ平ごめんだと思っていましたわ」
「では、お母さまも結婚反対派だったのですね」
「う〜ん、それも違うわね。簡単に言うと公爵令嬢としての私ではなく、ただのルイーザとして見てくれる男性が周りにいなかったと言った方がいいかしら」
双子の姉は王族へと嫁ぎ、エイデン王国に一つしかない公爵家の令嬢だった母にくる縁談は、公爵家や王族との繋がりを欲する貴族家からのものばかりだったろう。旨味ばかりを求めて、母を一人の女性として欲してくれる男性などいなかったに違いない。
そんな中、結婚に希望を持てなかった母の心を変えたのが父だった。
エントランスにてアイシャを出迎た母と共に、私室へと向かう。
「お、お母さま、これはいったい?」
アイシャは扉を開けるなり、目に飛び込んできた部屋いっぱいに飾られた花々を見て言葉を失う。
「今朝方、ナイトレイ侯爵家のキース様から届いたお花よ。手紙も預かっているわ」
母から受け取った手紙を開け、そこに書かれていたメッセージを読んだアイシャは、キースの抜かりなさに感心していた。
『貴方が気に入った花々を摘み花束にしました。これを見て少しでも俺のことを思い出してくれたら嬉しい』
「あら! アイシャはキース様から大層愛されているのね。キース様とは順調に進んだのかしら?」
「進んだというか、疲労困憊です。お母さま、わたくし、キース様からあんなに求められる理由が分かりません」
「ナイトレイ侯爵領で何があったかは聞きません。ですが、貴方も社交界デビューを果たした令嬢です。男女の駆け引きも学ばなければならないでしょう」
「男女の駆け引きと言いますが、私には気が重いです。今回の訪問で痛感しました。どうしても、誰かと結婚しなければならないのでしょうか?」
「そうね……、アイシャが戸惑う気持ちもわかります。わたくしもルイに出会うまでは男なんて皆同じだと思っていましたしね。公爵家という旨味を求めるハイエナか下半身のゆるいケダモノばかりだと。当時は、結婚なんて真っ平ごめんだと思っていましたわ」
「では、お母さまも結婚反対派だったのですね」
「う〜ん、それも違うわね。簡単に言うと公爵令嬢としての私ではなく、ただのルイーザとして見てくれる男性が周りにいなかったと言った方がいいかしら」
双子の姉は王族へと嫁ぎ、エイデン王国に一つしかない公爵家の令嬢だった母にくる縁談は、公爵家や王族との繋がりを欲する貴族家からのものばかりだったろう。旨味ばかりを求めて、母を一人の女性として欲してくれる男性などいなかったに違いない。
そんな中、結婚に希望を持てなかった母の心を変えたのが父だった。