転生アラサー腐女子はモブですから!?
一番奥の人気のない席へとアイシャを連れて行き座らせたアナベルは、威圧的にアイシャを睨みつけ、一方的に話し出した。
「なぜ、アイシャ様がこの船に乗っているのですか? ウェスト侯爵家のリアム様が上船していると耳にしましたが、まさかご一緒されているのですか!?」
「はぁ、まぁ……、不可抗力ですけど」
「なっ!! 未婚の男女が一緒に船旅なんて……、貴方、貞操観念が緩いんじゃありませんの!! 社交界の寵児三人を手玉にとるだけの事はありますわね」
初っ端なから好戦的だなぁ~
「アナベル様、私も好きでこの状況に追い込まれたわけではありませんのよ。あの御三方に、どんな思惑があり、私に求婚したのかは知りませんが、はっきり言って迷惑被っているのは、こちらです」
「な、なんですって!」
「それに、王太子様と侯爵子息様からの打診を、たかが伯爵令嬢の分際で、お断りなど出来ようはずもありません。はっきり申しますが、今回の船旅も、好き好んで来たわけではないのです。侯爵子息であるリアム様のお誘いを伯爵令嬢如きが断れると思いますか? わたくしだって、未婚の男女、しかも婚約者でもない方と船旅をするリスクなんて理解しております」
アナベルの目がつり上がり、彼女の顔が赤く染まっていく。
(あぁ……、言い過ぎたかしら?)
「御三方に求婚されて迷惑被っているですって……、貴方、何様のつもりよ!!!! 私には全く見向きもしないノア王太子殿下の御心を奪っておいて。あの方の婚約者になる為に、どれだけの努力を重ねてきたと思っているのよ」
何様のつもりだと言われても、今回の婚約話に関しては、アイシャにとって不本意この上ない。決して自分の意志でこのような状況に追い込まれたわけではない。しかし、アナベルが言うことも理解できる。彼女が、ノア王太子の婚約者になるために、どれだけの努力を重ねてきたのかをアイシャは知っている。
「幼い頃からノア王太子殿下の隣に立つために、血のにじむような努力をして来た。王太子妃になる為の厳しい教育も、皆の手本となるための淑女教育も手を抜いたことなんてなかった。やっと、ノア王太子殿下との婚約も成立間近だったのに。幼い頃からお慕いしていたノア様と結ばれると思ったのに……、全てをぶち壊したのは貴方よ!!!!」
怒りを爆発させたアナベルが、泣きながらアイシャの頬を打つ。
「悔しい、悔しい……、でも、貴方と踊っていたノア様は、とても幸せそうだった。あんな自然な笑み、私には一度だって見せたことない。いつも社交辞令の笑顔だけ」
さめざめと泣くアナベルが、力尽きたのか、その場にくず折れる。
「私には、あの方を笑わせる事なんて出来ない。あの方を幸せに出来るのはアイシャ様だけなんだと、納得したのに……、なんで貴方が、ノア様の求愛を拒否するのよ!!」
机に突っ伏し泣き続けるアナベルを見て、アイシャは、ある事を考えていた。
「なぜ、アイシャ様がこの船に乗っているのですか? ウェスト侯爵家のリアム様が上船していると耳にしましたが、まさかご一緒されているのですか!?」
「はぁ、まぁ……、不可抗力ですけど」
「なっ!! 未婚の男女が一緒に船旅なんて……、貴方、貞操観念が緩いんじゃありませんの!! 社交界の寵児三人を手玉にとるだけの事はありますわね」
初っ端なから好戦的だなぁ~
「アナベル様、私も好きでこの状況に追い込まれたわけではありませんのよ。あの御三方に、どんな思惑があり、私に求婚したのかは知りませんが、はっきり言って迷惑被っているのは、こちらです」
「な、なんですって!」
「それに、王太子様と侯爵子息様からの打診を、たかが伯爵令嬢の分際で、お断りなど出来ようはずもありません。はっきり申しますが、今回の船旅も、好き好んで来たわけではないのです。侯爵子息であるリアム様のお誘いを伯爵令嬢如きが断れると思いますか? わたくしだって、未婚の男女、しかも婚約者でもない方と船旅をするリスクなんて理解しております」
アナベルの目がつり上がり、彼女の顔が赤く染まっていく。
(あぁ……、言い過ぎたかしら?)
「御三方に求婚されて迷惑被っているですって……、貴方、何様のつもりよ!!!! 私には全く見向きもしないノア王太子殿下の御心を奪っておいて。あの方の婚約者になる為に、どれだけの努力を重ねてきたと思っているのよ」
何様のつもりだと言われても、今回の婚約話に関しては、アイシャにとって不本意この上ない。決して自分の意志でこのような状況に追い込まれたわけではない。しかし、アナベルが言うことも理解できる。彼女が、ノア王太子の婚約者になるために、どれだけの努力を重ねてきたのかをアイシャは知っている。
「幼い頃からノア王太子殿下の隣に立つために、血のにじむような努力をして来た。王太子妃になる為の厳しい教育も、皆の手本となるための淑女教育も手を抜いたことなんてなかった。やっと、ノア王太子殿下との婚約も成立間近だったのに。幼い頃からお慕いしていたノア様と結ばれると思ったのに……、全てをぶち壊したのは貴方よ!!!!」
怒りを爆発させたアナベルが、泣きながらアイシャの頬を打つ。
「悔しい、悔しい……、でも、貴方と踊っていたノア様は、とても幸せそうだった。あんな自然な笑み、私には一度だって見せたことない。いつも社交辞令の笑顔だけ」
さめざめと泣くアナベルが、力尽きたのか、その場にくず折れる。
「私には、あの方を笑わせる事なんて出来ない。あの方を幸せに出来るのはアイシャ様だけなんだと、納得したのに……、なんで貴方が、ノア様の求愛を拒否するのよ!!」
机に突っ伏し泣き続けるアナベルを見て、アイシャは、ある事を考えていた。