転生アラサー腐女子はモブですから!?
「誤解ですって??」
「あぁ。さっき思わず笑ってしまったのは、アイシャの趣味をバカにしたからじゃないよ。何と言うか、もっとヤバい趣味を想像していたと言うか……」
「えっ? もっと、やばい趣味?」
「世の中には、犯罪紛いの趣味をやめられない者や、特殊な性癖を隠して生きている貴族も沢山いるからね。男同士の恋愛を妄想する趣味だっけ? そんな可愛らしい性癖なら、別に私は何とも思わないよ」
「――――なんとも思わない。嘘でしょ?」
「嘘じゃないよ。この国は性に寛容だからね、一部の貴夫人の中で衆道を話す会なんてものも、存在しているらしいし、実際に騎士団に所属していた時は、それらしいカップルも何組か見かけたかな。もちろん私にそっちの性癖はない。私で男同士の恋愛を妄想するのはやめて欲しいけどね。だから、アイシャの趣味が想像と違って可愛らしい性癖だったから安堵して、思わず笑ってしまった。誤解させてゴメン」
リアムは私の趣味を認めてくれるの? 腐女子な私を受け入れてくれるの?
さっきまで悲しみでいっぱいだった心が、嬉しさで満たされていく。『やっぱり、騎士団には男同士のカップルがいたのね♡』という、腐女子垂涎の情報も耳を素通りするほどの喜びに、心が満ちていく。
「リアム様は、私が男同士の恋愛を妄想していても、気持ち悪いって思いませんの? 私を軽蔑しませんの?」
「その程度のことで、アイシャへの気持ちが冷めてしまうような愛じゃない。その趣味が、アイシャの自由な考えを支える根幹であるなら、否定なんて出来ないよ」
リアムの真摯な言葉に、視界がにじむ。
「それに、私はね。アイシャには、柵に囚われず自由に生きて欲しいと思っている。自由な発想と、それを実現しようとする行動力こそが、アイシャの一番の魅力だろう。それを支えるだけの力は、手に入れて来たつもりだ。自由に生きるアイシャを、隣でずっと見ていたいんだ」
リアムから紡がれる言葉の数々に、あふれ出した涙を止めることなど、もう出来なかった。いつの間にかソファへと倒され、見上げた先のリアムの顔が、涙でかすむ。
「アイシャ、私と結婚して欲しい」
リアムの側は昔から居心地が良かった。
私の気持ちを優先し、辛い時はずっと側にいてくれた。
今も私の全てを認め、包み込んでくれる。
もう我慢しなくていいんだ。
彼の隣は暖かい。心が暖かい。
『誰と結ばれるかは自ずとわかるものよ。心が、必ず訴えてくるから』
心のままに……
アイシャは、にじむ視界の中、リアムの頬を両手で包み、自らの意思で唇を重ねた。
「あぁ。さっき思わず笑ってしまったのは、アイシャの趣味をバカにしたからじゃないよ。何と言うか、もっとヤバい趣味を想像していたと言うか……」
「えっ? もっと、やばい趣味?」
「世の中には、犯罪紛いの趣味をやめられない者や、特殊な性癖を隠して生きている貴族も沢山いるからね。男同士の恋愛を妄想する趣味だっけ? そんな可愛らしい性癖なら、別に私は何とも思わないよ」
「――――なんとも思わない。嘘でしょ?」
「嘘じゃないよ。この国は性に寛容だからね、一部の貴夫人の中で衆道を話す会なんてものも、存在しているらしいし、実際に騎士団に所属していた時は、それらしいカップルも何組か見かけたかな。もちろん私にそっちの性癖はない。私で男同士の恋愛を妄想するのはやめて欲しいけどね。だから、アイシャの趣味が想像と違って可愛らしい性癖だったから安堵して、思わず笑ってしまった。誤解させてゴメン」
リアムは私の趣味を認めてくれるの? 腐女子な私を受け入れてくれるの?
さっきまで悲しみでいっぱいだった心が、嬉しさで満たされていく。『やっぱり、騎士団には男同士のカップルがいたのね♡』という、腐女子垂涎の情報も耳を素通りするほどの喜びに、心が満ちていく。
「リアム様は、私が男同士の恋愛を妄想していても、気持ち悪いって思いませんの? 私を軽蔑しませんの?」
「その程度のことで、アイシャへの気持ちが冷めてしまうような愛じゃない。その趣味が、アイシャの自由な考えを支える根幹であるなら、否定なんて出来ないよ」
リアムの真摯な言葉に、視界がにじむ。
「それに、私はね。アイシャには、柵に囚われず自由に生きて欲しいと思っている。自由な発想と、それを実現しようとする行動力こそが、アイシャの一番の魅力だろう。それを支えるだけの力は、手に入れて来たつもりだ。自由に生きるアイシャを、隣でずっと見ていたいんだ」
リアムから紡がれる言葉の数々に、あふれ出した涙を止めることなど、もう出来なかった。いつの間にかソファへと倒され、見上げた先のリアムの顔が、涙でかすむ。
「アイシャ、私と結婚して欲しい」
リアムの側は昔から居心地が良かった。
私の気持ちを優先し、辛い時はずっと側にいてくれた。
今も私の全てを認め、包み込んでくれる。
もう我慢しなくていいんだ。
彼の隣は暖かい。心が暖かい。
『誰と結ばれるかは自ずとわかるものよ。心が、必ず訴えてくるから』
心のままに……
アイシャは、にじむ視界の中、リアムの頬を両手で包み、自らの意思で唇を重ねた。