【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
すでに、私の隣、ジェラルド様が眠っていた場所は冷え切っている。
あんなに具合が悪そうだったのに、そんなジェラルド様より長く寝てしまうなんて、自分に嫌気がさしてしまう。
そのとき、静かに扉が開く。
「ステラ……?」
「ジェラルド様!!」
慌てて起き上がって、飛び込もうとした私を少し苦笑したジェラルド様が静止する。
「ステラ、落ち着いてくれないか。スープがこぼれてしまうよ?」
「スープ? ……それよりも体調は!?」
「問題ない。君がそばにいてくれたおかげか、よく眠れたよ」
「寝過ぎて、しまいました」
ジェラルド様は、片方の指先を唇に当て、少し微笑んだ。その仕草が、あまりにカッコよすぎて、先ほどの驚きで高鳴っていた心臓が悲鳴をあげる。