【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

 横抱きにされて急に近づいたジェラルド様の顔。
 金色の瞳が弧を描くのがあまりに麗しくて、苦しくなってしまった呼吸を何とか整えながら見つめる。今、私の呼吸と心臓は止まりかけている。

「……もう、問題ない」
「う、嘘です!! すぐ不調を隠すじゃないですか!!」
「……本当に、大丈夫だ。それよりも、食事にしよう」
「……」

 ニッコリと私に微笑みかけたジェラルド様の顔色は、確かに悪くない。
 そっと額に手を当ててみたけれど、体も熱くはないようだ。

「はあ。寝顔が可愛らし過ぎたのに、そこは耐えたのだから、あまり触れてくれるな」
「……変な寝顔だったのでは」
「ふふ。毎日見つめて、寝不足になりそうなほど、可愛い」
「っ……!?」

 真っ赤になってしまった私の頬は、きっと昨夜のジェラルド様よりも熱いに違いない。
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