【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
カップが離れた端正な唇が、少し震える。
私を見つめる金色の瞳。こんなに長く見つめ合う日が来るなんて、想像もしてなかったのに。
「……実は、このコーヒーには、ミルクが合うんだ」
「え?」
「私は入れようと思うが、ステラはどうする?」
「……ジェラルド様」
「同じものが飲みたいなんて、可愛すぎることを言う君と一緒に楽しみたいんだが?」
「……ふふっ」
私のコーヒーには、ミルクと蜂蜜が入る。
ジェラルド様は、ほんの少しだけミルクを入れて楽しんでいるようだ。
「美味しいです」
「そうか……」
静かな新婚の朝は、こうして過ぎていった。