【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
食事を終えると、ジェラルド様は静かに立ち上がった。
「……今日は、軍部の重要会議に参加しなくてはならない。遅くなるから、先に寝ていなさい」
「……軍部の、重要会議」
「ああ、それから、君の護衛を紹介しよう」
「護衛?」
ジェラルド様が、二つ手を叩くと、静かに扉が開く。
目が合った美しい白銀の髪とアメジストの瞳をした青年は、優雅にこちらに礼をした。
────すでに私は、彼のことを知っている。
「……あの、なぜレザン様が、こちらに」
「引き続き彼が、君の護衛を勤める」
「……彼は、王家の影のはずです」
そう、レザン様は、王家の影だ。
王太子の婚約者である私のことを守ってくれると同時に、監視している存在でもあった。
そんな彼が、どうして私の護衛としてこの場所にいるのだろう。