【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
ジェラルド様は、少しだけ気まずそうな表情を見せた。けれど、その直後に私の頭は優しく撫でられ、頭頂部に口づけが落ちてくる。
あいかわらず慣れることなんてできずに、熱くなってしまった頬も隠せないまま見上げれば、いつも通り大人の笑顔が向けられる。胸が苦しい。素敵すぎるのは、罪なのだ。
扉が閉められると同時に、私は床に崩れ落ちた。
レザン様は、いつも私を助けてくれた。
その多くが、ジェラルド様の指示だったというのなら、私は知らないうちに幾度助けられたことか。
こうして、食堂には、あいかわらず無表情なレザン様と、顔を覆ったまま身動きがとれなくなった私だけが取り残されたのだった。