【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
「軍部の重要な会議って……」
先日の戦いは、我が国の圧勝で、隣国とは和平が結ばれた。
だから、現在緊急で会議をしなければいけないほどの、重要案件なんてないはずだ。
「……そう、例えば軍法会議でもない限り」
その瞬間、今回の会議の議題に思い当たってしまう。軍法会議にかけられる可能性がある人を私は一人知っている。
「っ、ね、ねえ! レザン卿、今日の会議って、まさか!」
「……俺の口からは何とも」
「っ、ど、どうしましょう!」
だって、ジェラルド様は、私を助け出すために前線から舞い戻ってきてしまったのだ。
すでに、片はつけてあると言っていたけれど、そんな簡単なはずがない。
「ねえ、レザン卿! 私にできることはないかしら!?」
次の瞬間、予想外のことが起こった。
レザン卿が、なぜか微笑んだのだ。
いつも無表情だから、気が付きにくかったけれど、レザン卿はとても美しい顔をしている。
アメジスト色の瞳に釘付けになる。
初めて見たレザン卿の笑顔は、あまりに破壊力が強く、耐性のないご令嬢たちが次々倒れてしまいそうだ。