【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
レザン卿は、王国でも数少ない、高位精霊との契約者だ。目の前に現れた豹、水の精霊ウィランドラは、私に甘えるようにすり寄った。
「さあ、命じてください」
「……レザン卿、私、ジェラルド様を守りたいんです」
「たとえ、守らなくても、我が主は強いですよ?」
「それでも私は、ジェラルド様の全てを守りたい」
「……奥様は男前ですね」
手を引かれて、部屋を出た私たち。
そこには、柔和な笑顔の執事長ドルアス様がいた。
「……ドルアス様」
「じいでございますよ? 奥様」
「じい……」
けれど、そんなに簡単にお屋敷から出ることは許されないのだった。