【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

 目の前にいるのは、じい、ことドルアス・リーゼ様だ。その名字から、この国の王妃を輩出したこともある格式高いリーゼ伯爵家に縁があることがわかる。

 王弟殿下の屋敷の執事長を勤める彼は、しかし私に柔和な、しかし有無を言わさない印象の笑顔を向けた。

「奥様」
「はっ、はい! じい!!」
「よろしゅうございます。さて、夫の仕事場を覗きたいと?」
「えっ、仕事場というか、その……」

 まさか、ジェラルド様が軍法会議に掛けられているのではないかと不安で、様子を見に行こうとしていたなんて、言い出せるはずもない。
 そして、なぜかドルアス様の後ろには、ドレスや装飾品を抱えた侍女、レテリエがいる。
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