【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

 この会議には、もちろんバルトも出席するが、そのほかの面々は私よりもよほど、細かい文字が見えないに違いない。
 
 眼鏡をかけ直し、もう一度書類に目を通す。

「……さて、そろそろか」

 すでに、自分たちこそが軍法会議にかけられる側だったことに気がついて、青ざめている貴族たちを尻目に窓の外に視線を向ける。

「ずいぶん、楽しそうだな……」
「おいおい、この空気どうしてくれるんだよ。お前、どれだけ王国中の情報に精通しているんだ」

 バルトが、近づいてきてため息交じりに俺の肩に手を置いた。
 普段から、気安く接してくるから、あらぬ噂が立つのだろう。
 そんなことを思いながら、楽しそうなステラから視線を外す。

「お、お嬢ちゃんか……。以前と違って、行動的だねぇ。しかもあのドレス、お前の贈り物か? さすが、可憐で美しいな」
「……見るな」
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