【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
それなのに、ジェラルド様は、眉根を寄せて少しだけ不機嫌な顔になると「なあ、ルルード」と呟いた。
「ルルードが、どうしたんですか?」
「────ルルードのやつも、私と同じ気持ちのようだ。これ以上、君を見られる前に、早く帰ろう」
「え?」
意味がわからないままに瞬きをしていると、突然目の前が淡く青い光に満たされる。
その光が馬の形を取り、気がつけば風の精霊ルルードが、鼻先を私にこすりつけていた。
「さあ、帰ろうか」
「……えっと?」
行きは馬車で来たので、そのまま馬車で帰るつもりだったのに、気がつけばジェラルド様に横抱きにされるようにルルードの背中に乗っていた。
「ステラは確か、乗馬もたしなむな?」
「……少しだけ」
「しっかり掴まっていてくれ」