【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

 確かに遠回りしてきたけれど、確かに今、手が届く場所にジェラルド様がいる。
 そのことが、たまらなく幸せだ。

「そのドレス、よく似合う……。きっと、あの時の私は、君に靴とドレスを贈るために、蛮勇に出たに違いない」
「そのとき私は、まだ赤ちゃんだったのでは……」
「はは、生まれてもいないさ。────それでも、きっとそのときには、すでに」

 落ちてきた口づけは、先ほど違って、確かな感触と温かさを感じる。
 少し離れた唇と、見つめてくる金色の瞳に、震えてしまうほどのときめきと愛しさを感じた瞬間、「君を愛していた」という言葉とともに、もう一度私の唇は、奪われていた。
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