【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
「美しいステラ。もちろん君にも、早く会いたいな……」
「何を言っているのです? ジェラルド様」
「────だが、私は本物が良い」
そう呟いた瞬間、ふわふわとした感覚が消えて、ベッドに倒れ込んだ衝撃で我に返る。
「……ジェラルド様」
「────はあ、本物か」
熱い体で、幻などではない甘い香りのする体を抱きしめる。
「……魔力の調整が上手くいかないのですか?」
「……いや、魔力というよりは」
精霊は、加護を与えた者を助けてくれる。
だが、彼らが認めるのは、加護の力になど呑み込まれない、強い精神力を持った者だけだ。
壁際にいる二つの光。彼らは、私を見極めようとしているのだろう。
「ルルードと、リーリルの加護ですか……」
「ルルードの加護を受けたときもそうだった。眠りにつくと決まって未来を視るが、現実との境が曖昧になるんだ。まあ、あのときはまだ未熟だったから魔力も不安定になったが……」
「そうなのですね」
「────でも、今回は、過去と未来すべてに」