【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
「その代わり、この屋敷内では好きにして構わないし、必要な物も何でも言えばいい。この私に手に入らないものなどないのだから」
確かに、目の前におられるジェラルド・ラーベル王弟殿下に、手に入らないものなどないに違いない。
王太子の婚約者でありながら、疎まれていた私は全てを手に入れられるような生活をしていなかった。
のんびりと、大好きな読書を思う存分。考えようによっては、夢のような生活なのかもしれない。
ラーベル公爵家の図書室は、その蔵書量と質で有名だ。きっと一生かかっても読み終えることはできないに違いない。
「……図書室の鍵を。これから先、用事があるとき以外、図書室に籠もり、あなたの目に触れるつもりはありませんので、ご安心ください」
安心するだろう。そう予想して告げた言葉に、予想外にもジェラルド様の眉間のしわが深くなる。