【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
「────このドレスは、少々子どもっぽいけれど……」
でも、センスが悪いわけではない。いや、完全に私の好みにぴったりだ。
きっと、今の私のイメージに合わせた結果、こういった可愛らしく少々幼いデザインになったのだろう。
──つまり、一日でも早く大人になれば、この問題は解決する。そう、そのはずだ。
「お待ち申し上げておりました。奥様」
「……ありがとう」
食堂の扉を開けてくれたのは、老齢の執事長だった。
白い髪とグレーの瞳が知的な老齢の彼の名前は、ドルアス・リーゼ様。リーゼ家は、伯爵家の中でも我が家とは比べものにならないほど広大な領地を持つ。ここまで私を案内してくれた侍女長の家柄も、きっと高貴なものに違いない。