【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
「ご迷惑はお掛けしません」
ドレスの裾をつまんで、完璧な礼を披露した私に、ジェラルド様がかぶりを振る。
「……はぁ。幼い頃から、厳しい王太子妃教育にほんの少しの不満すら言わず、全て完璧にこなしてきた君のことだ。そう言うからには、実行に移すに違いない。図書室の鍵を与えたならば、本当に一日中出てこないだろう」
「そのほうが良いのでは?」
意味がわからずに首をかしげた私を前に、ジェラルド様の眉間のしわがますます深くなる。
しかし、そんな表情すら渋くてカッコいいのだ。ずるい。