【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
嫌でも柔らかくて小さい私の手との違いを意識してしまう。心臓が苦しい。それに顔が熱い。
今度は、額から熱が広がって、耳まで熱くなってしまう。
私たちは、まだまだ形だけとはいえ夫婦になったというのに、少し触れられるだけでこんなに照れてしまって、体が持つのかと心配になってしまう。
「顔が赤いが……」
「大丈夫です。王太子妃教育を受けていた日々に比べれば、たいしたことありません」
「……やはり、殴って王位継承権を奪うだけでは、足りなかったな」
ジェラルド様の金色の瞳が、なぜか一瞬輝く。
けれど、呟かれた言葉は、あまりに低くてよく聞こえなかった。
「……熱はないようだが、あまり無理をしないように」
「心配しすぎです。風邪を引いたこともないんですよ?」
「────精霊に愛されているからといって、健康を過信してはいけない」
「……え?」