【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
「図書室は、貴重な書物の保全のために日が入りにくい作りになっているのだぞ!」
「私などには、貴重な書物を触れさせたくないと?」
「何を言っているんだ。君のためなら、王国中の書物を全て集めてみせる! それよりも、日に当たって外の空気を吸わなければ、体を壊してしまうだろう!?」
「え?」
予想外の台詞に、思わずパチパチ瞬きし続けてしまったのは言うまでもない。
いや、予想外などではない。先ほどの台詞が衝撃過ぎたせいで忘れそうになっていたが、大好きな王弟殿下は、いつだって私の健康を心配して、声をかけてくれていたのだ。
白い結婚で、私のことを愛さないからといって、妻になった女性をないがしろにするような人ではない。
知ってはいた。知ってはいたけれど、結婚したのだから、もしかしたら妻として愛してもらえるのではないかと、少しだけ期待してしまったのだ。