【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
その変化を目の当たりにして、驚きのあまり渇いてしまった喉が、ゴクリと音を立てる。
「……それにしても、完璧な令嬢なんて言われていたステラ様は実は、可愛らしいお嬢ちゃんだったんだな」
「見るな」
そうです、子ども扱い禁止です! そんなことを思いながら、思いっきり首を縦に振る。
「……ジェラルド、お前も意外と可愛かったんだな」
「黙れ」
そうです! ジェラルド様は、時々可愛いのです。思いっきり同意して、やはり首を縦に振る。
次の瞬間、ぐらりと体が傾いて、なぜかジェラルド様に引き寄せられていた。
爽やかなハーブの香りがして、場違いかもしれないけれど、再び幸せをかみしめる。
ニコニコと私たち二人を交互に見ていたバルト卿は、少しだけ口を引き結んだあと、真面目な先ほどの表情に変わる。