【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
「……とりあえず今回の戦いは、お前抜きでも勝ったからな」
「……すまなかった。本当に感謝している」
「全てを投げ打つほど、大切だったんだろう? 気が付くのが遅いと思わなくもないが、これから先守り切ってやれば良い」
「言われるまでもなく、そのつもりだ」
二人の会話は、深刻そうだから、私が聞いて良いものかとソワソワしてしまう。
王太子妃だったときには、常に情報を集めていたけれど、今は監視兼護衛としてつけられていた王家の影も使えないし……。
そういえば、急にこんなことになってしまったけれど、元気にしているのだろうか。
銀の髪にアメジストの瞳をした彼のことを思い浮かべる。少し変わっているけれど、頼りになる人だった。
「……ところで、戦いの途中で帰ってきてしまったような話の内容ですよね」
次の瞬間、ジェラルド様はわかりやすく固まり、バルト様は楽しそうに片側の口角を上げたのだった。