【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
婚約破棄とその気持ちの名前 ※ジェラルド視点
────気がつくのが遅すぎた。いや、それすらも精霊の導きか。
この国で『運命』と同義の『精霊の導き』という言葉。しかし、この状況でのんびりとあくびをしている精霊が、何かを導くとは考えにくい。
それは、あまりに私と精霊という存在が、仲間のように近すぎるからなのだろう。
ときに、その力を借りて戦場を駆け抜け、ときにのんびり日光浴をする。
精霊であるルルードは、何を考えているかわかりにくい。
力を貸してほしいと私が願ったときには貸してくれるが、普段は感情を持っているのかいないのか、フワフワと淡い青色の光を多揺らせているだけだ。