【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

 透明な青い光のカーテンの向こう、青く染められたその場所で、ステラは髪に挿していた簪を抜き去った。
 ツヤツヤと美しい茶色の髪が、バサリとほどければ、作り上げていた大人の印象が、あっという間に少女のように可憐なものへと変わる。

 ステラは、自室でベッドに座り、俯いたまま、細工されている簪の宝石をカチリと外した。
 その簪が、王家から与えられたものであることに気がついて、必死に手を伸ばす。
 しかし、淡い光はただその光景を映し出すだけで、声の限りに叫んでも、手を伸ばしても、彼女にそれらが届くことはないようだ。

「ステラ嬢……!!」
『ジェラルド様、私、ジェラルド様のことが……』
「やめてくれ、ステラ嬢!! ……ステラ!!」
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