【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
しかし、それだけではステラの尊厳を守ることはできないだろう……。
この国に忠義を捧げる気持ちが消えたわけではない。きっと、優しい心根のステラもそんなことを望みはしない。
だから、滅ぼすなんてことは本当の最終手段だ。そうであれば、王家の秘密を知りすぎている彼女を日陰に追いやらないためには、王族との婚姻が必須だ。
だが、ステラと年の近い、あるいは年下の王族には、すでに婚約者がいる。
「申し訳ないが、ステラ嬢と年が近い王族には、すでに婚約者がいる……。こんなおじさんが相手など嫌に違いないだろうが、君を救うにはこれしかない」
ステラを救うには、これしかないなんていうのは、言い訳に違いない。
だが、せめて彼女が本当に愛する人間が現れるまで、守り切る、この気持ちに嘘はない。