【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
「えっ、あの……」
ボロボロの姿で、王国よりも、世界よりも大切な存在なのだと気がついてしまった人に、こんな形で結婚を申し込むなんて、滑稽で惨めではある。
だが、ただ彼女を救いたいから、そんな自分の感情や体裁、周囲からどう見られるかなんて二の次だ。
「……私の妻になりなさい。ステラ嬢」
断られようとステラの盾であり続けることは、もう決定事項だ。
見せられた光景で、毒をあおろうとしていたステラが、なぜか頬を染めたまま、まだ私の目の前に存在する。それだけで十分だった。
ステラは、真っ赤に顔を染めたまま、声を出すこともできずに何度も首を縦に振り続けたのだった。