【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

その背中に追いつきたくて


「そ、それはつまり……」

 確かに、卒業式前日までの情報では、ジェラルド様は前線にいたはずだ。
 その場所は、北端に近くて、馬を替えて夜通し駆けてきたとしても、一日で帰ってこられるはずがない。
 それに、まだ戦いは終わってなかったという……。

「じゃ、俺はそろそろ帰るかな」
「……バルト。本当に感謝している」
「気にするな、俺とお前の仲だ。今度、改めてステラ様のこと、紹介してくれよな?」
「……」
「ははっ。そんな目で見るなよ。早くわかってもらえるといいな?」
「早く帰れ」

 ジェラルド様に友人のように軽く手を振って、私には恭しく一礼したあと、バルト卿は帰っていった。
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