【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

 本当に、時々会えるだけのジェラルド様は、いつだって余裕の表情で私に笑いかけてくれた。
 私はずっと、ジェラルド様よりも子どもだったし、王太子の婚約者としての立場もあったから、優しさをもらうばかりで、何も返すことができなかった、そんな自覚があるのに。

「どうして……。戦いが終わる前に、戦場から離れるなんて、重い罪を問われてしまいます」
「……ステラ、君の命には代えられない」

 ふわり、と頭を撫でられた。
 必死になって涙を拭って上を向けば、ジェラルド様は、どこか困ったように笑っていた。

「それに、君はいつだって私のことを救ってくれた」
「……え?」
「無邪気な笑顔も、私が怪我をしていたことに気がついて涙ぐみながら差し出してくれた少し不格好なお守りも、いつも摘んで差し出してくれた小さな花も」
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