【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

「ジェラルド様が、傷つくのは嫌です」
「私は強いから、心配しなくても大丈夫だ。……だから君は、私に守られて、ここで幸せに過ごしていてほしい」

 完全にジェラルド様にとって、私は庇護対象なのだろう。
 でも、私はいつだって、ジェラルド様の力になりたいし、喜ぶことをしてあげたいし、できることなら守りたい。欲を言えば、私のことを好きになってほしい。

「……ずっと、好きだったから」

 ぽつりと口元からこぼれ落ちた小さな呟きは、婚約破棄の直後に勢い余って告げた言葉だ。
 けれど、そういった対象に見てもらえてないことを理解していて、今ここでもう一度告げるなんて、私にはできそうにない。

「え? 何か言ったか、ステラ」

 ジェラルド様が、好きだって言いました。
 いつかきっと、振り向いてもらえるように頑張りますから。
 そう心の中で決意する。結婚しても、今はまだきっと私の片思いだから。
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