【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
廊下を飛び出したはいいものの、もちろん私は迷子になっていた。
「広すぎるの……」
王宮の場合は、常時護衛の騎士がついているため、迷子になる心配はなかった。
けれど、ジェラルド様のお屋敷は、とても広くて、しかもまだ構造が覚えられていない上に私は一人きりだ。
「……うう。これで、ますます子ども扱いされてしまうのが確定だわ」
三階に上がれば、夫婦の部屋にたどり着けると思ったのに、階段すら見つけることができない。
「どうなさいましたか?」
「きゃあ!?」
そのとき、誰かから声をかけられて、私は飛び上がって驚いた。