【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
抱き上げられていた腕の力が緩められて、そっと私は降ろされたけれど、明らかにジェラルド様の様子はおかしい。
いつも余裕の表情しか見たことがなかったのに、あの婚約破棄の日から、私はジェラルド様のことを何も知らなかったのだと、思い知らされるばかりだ。
それでも、すぐに気持ちを立て直したのだろう、ジェラルド様は、私を安心させるように笑いかけてきた。
「……ステラ、驚かせたな。……すまなかった」
「謝るようなことでは……」
むしろ、何らかの理由でジェラルド様を不安にしてしまったことが申し訳ないくらいだ。
そのとき、淡く青い光りが部屋の中を照らした。